曳山曳揃え
ひきやまこどもかぶき
曳山子供歌舞伎
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曳山は二基しかないの?

昭和二十六年から、曳山は毎年二基ず
つ交替で出ることになった。そのため、
小松の曳山は二基しかないと勘違いす
る人が現れた。
材木町の祭事研究「越乃会」の関戸
昌郎さんは各地の祭りを見学した結果、
八基全てを出して見せるべきだと提案。
平成二年に初めて曳揃えが実現した。
関戸さん宅では、祭りの期間中、
材木町曳山の天井図(九谷の名工・
粟生屋源右衛門の花鳥図)を展示して
いる。

曳山艶話、昔は芸者が・・・

遊郭の芸奴を曳山の役者に雇った時代が
あっ た。それまでは役者は町の男の子
だったのだが、日露戦争(1904年)の後、
子供を曳山芝居に出演させないでくれと、
小学校から申し入れがあったらしい。
勉強が遅れるのみならず、青年社会の
悪風に染まるからというのがその理由。
それで明治の終わり頃からは金沢から
芸奴見習いの女子を呼ぶようになった。
結局その方が、芸も踊りも早く覚えるので
都合がよい。そして若連中にとっては、
もっと都合のいいことがあった。見習いの
芸奴には「ねえさん」が付いて来る。つまり
芸者さんと知り合えるわけで、いくつもの
艶話が生まれた。中には家の財産を注ぎ
込んでしまった者もいる。当時の若者に
とって年に一度の豪気な遊び、まさに祭り
そのものだったのだろう。戦後になって、
町の女の子が役者に選ばれることになっ
た。近年は児童減少のため、男の子が
出演することもある。

曳山見おろすベカラズ

曳山の組立ては町内総出の作業。順序
を間違わぬよう、経験者の指示が必要
に なる。若衆が漆や金箔を素手で触ろ
うものなら、長老から大声で叱られる。
(最近、逆に「オッサンそれ取って」と
長老をあごで使う者がいるとか・・・)
組み立て中、女性は曳山を見下ろして
はいけないことになっている。
それで近くの家では作業中は二階の
窓の障子を閉めておく。

ワシが、金を出す!

八日市町の曳山に関しておもしろい話が
「むかしの小松」に載っている。曳山に
塗りと箔張りをしたいのだか、誰が費用
を出すかで何年も意見がまとまらない。
金を出したくないのではない。その逆。
「私が金を出す」とみんなが言って譲ら
ないのだ。結局、五間堂屋次左衛門がう
まく話をまとめたのだか、当時の小松商
人の経済力って、すごかったんですねぇ。



口上

演劇などで、代表者が観客に対して述
べるあいさつ。小松の曳山子供歌舞伎
では黒子を務める若衆の役目。
「東西(とざい)東西、一座高席に御座
いますれど、不弁舌なる口上なもって
申し上げ奉ります。
当町は氏神菟橋神社(あるいは本折日
吉神社)春季御祭礼・・・・御目まだるき
所は袖や袂(たもと)にお隠しあって、
見目よき所はすみからすみまで、
ずずずい〜と御願い奉る・・・・」 
        

歌舞伎

もとは「かぶく(傾く)という動詞の名
詞形で、人目につくようなとっぴな行動
をする者を指す言葉だった。江戸時代
の 初め、出雲大社の巫女と称する阿国
という女性が京都で演じた念仏踊りが、
歌舞伎の始まりだとされる。
この「阿国歌舞伎」が風俗を乱すとして
禁止されてからは、美少年中心の
「若衆歌舞伎」や「野郎歌舞伎」が出現。
能や人形浄瑠璃の要素を吸収し、
伝統演劇として完成した。

ヨーラハッスン

曳山を曳くときの掛け声。「ハッスン」
とは八寸、つまり24cmのこと。八寸だ
け動かせということで、一度に大きく動
かしすぎるなという注意もあるらしい。
この威勢のいい掛け声と拍子木で呼吸
を合わせて曳山を動かす。拍子木の
打ち方には「止まれ」「ゆっくり進め」
「速く進め」などのリズムがある。昔は
曳く技を競ったりもした。

山車(だし)・曳山

祭礼のとき、種々の飾りをつけて曳いて
歩く車。ダシは「出しもの」の意味。一説
には屋台の中心に突き出した飾りの名
に由来するとも。「山車」という字が当
てられたのは、神の住む聖地である山
になぞられたものだから。つまり山車は、
祭りに招き寄せる神の依り代なのである。
東日本では山車、屋台などとよび、西日
本では笠鉾、山鉾、楽車(だんじり)、
曳山などど呼ぶ。

曳山の車輪

木材を使用しているので、乾燥によるひ
び割れを防ぐため、昔は九龍橋川に埋
めて保存していた。昭和三十年代後半
に河底がコンクリートになってからは、
水田に埋めるようになった。現在では、
鉄環を巻いて保存庫で保管する。埋め
ているのは材木町と八日市町だけと
なった。なお龍助町は、曳山を組み立た
形のまま保管している。

千秋楽のお楽しみ

「五人衆」の手足となって働いてきた
「若衆」と呼ばれる若者達。曳山の一切
を取り仕切る五人衆に、叱咤され、こづ
かれ、こき使われてきた若衆。千秋楽
だけは五人衆が舞台を整えるので、こ
こぞとばかりにいろいろなイタズラを繰
り広げる。いかに粋なイタズラを考える
かが若衆の腕のみせどころ。若衆対
五人衆のバトル。なかなかの見物です。
京町お旅草紙曳山より